編集者の年収は?
出版バブルと言われた時代には、広告代理店や商社マンと同様、編集者はクリエイティブで華やなイメージがありました。しかし出版不況が叫ばれているいま、状況は随分変わっているようです。
さて、気になる編集者の平均年収は、口コミサイト「転職会議」によると416万円。「平均年収.JP」によると、平成28年度における日本国民の平均年収は422万円ですから、平均値よりも下回る数字となっているのがわかります。一方、公務員の平均年収は686万円ですので、編集職は高級取りとはいえません。
20代前半で318万円、40代以上で466万円
また、転職会議の調査によると、20代前半社員の平均年収は318万円。40代以上で466万円出そう。この数字も決して高いといえませんね。また、編集業界は体力も必要な業種。程給料、長時間労働のダブルバンチで、もちろん順調に出世すれば別ですが、中には体力が持たず異業種に転職する、という編集者も少なくようです。
紙メディアの方が平均年収は高い
ただ、大手の出版社や新聞社となると話は別です。小学館や講談社、集英社といった老舗の大手出版社は未だに高い給与水準を保っています。また、朝日新聞や日経新聞、読売新聞といった老舗新聞社にも同じことがいえます。以下は、「年収.JP」の調査に基づいた、大手出版社3社の平均年収です。
・小学館:1195万円
・講談社:1085万円
・集英社:620万円
定かではありませんが、集英社はほか2社と比べると低い印象がありますね。ただ、いずれにせよ一般的な平均年収に比べると非常に高い水準であることは間違いないでしょう。では、新聞社の方も見ていきましょう。
・朝日新聞:1262万円
・読売新聞:1500万円
・日経新聞:1248万円
なので平均としては400万円くらいでしょうか。これは実際に業界で働いている僕からしても妥当な数字かと思います。ただ、全体的に紙メディア(特に大手出版社)の方がWebメディアの編集者よりも給与水準が高いイメージがあります。
編集プロダクションは別世界
しかし一方で、紙媒体を手がける編集プロダクションの平均年収はというと、2年目で月収が額面で19万円。手取りにすると15万円と中々厳しい状況に置かれている人もいるようです。30歳で400万円程度は貰えている人もいるようですが、大手企業と比較しても一般的な水準から考えても低いといわざるをえません。
Web編集者の年収は?
では、近年メディア業界でも少しずつ存在感が高まってきているWeb編集者はどうでしょう?下記によると、Webメディアを数多く展開し、国内のWebメディア業界のパイオニアとして知られるメディアジーンの平均年収は350万円。紙メディアに比べると、若手のプレイヤーが多いことも影響しているとは思いますが、低い水準のようですね。業界全体の数字が出ていないことや、上記のような出版社や新聞社もWebメディアを手がけていることから、正確な平均年収を算出するのは困難とはいえ、決して高くはないというのが現状のようです。
しかし、Webメディア業界にいる身としては、Webメディアは歴史が浅い分、まだビジネスモデルとして完成されていません。もしかしたら10年後、Webメディアが主流になり、平均年収を巡る現在のような構図は大きく変わっているかもしれません。en-hyouban.com
対応に焦る大手出版社
出版不況、活字離れなど、編集者の将来性は一見明るくないように思えます。確かに、紙メディアに関しては、今までの方法論ではマネタイズが難しいことは確実でしょう。しかし、大手出版社をはじめ、多くの紙メディアはいま、デジタルへのシフトやイベント開催など、新たな試みをはじめています。小学館のコトバDMPやmerryの運営などもその一環と考えることができます。
それでも編集者は楽しい
ここまで、編集者の仕事内容や平均年収について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?出版バブルといわれていた時期と比べると、編集者の仕事は間違いなく華やかさやゆとりを失っています。しかし、いまこの業界は間違いなく変革の時期を迎えています。業界の仕組みを根本から変えることができる、そんなエキサイティングなフェーズなのです。