こっそりメディア論

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キュレーションメディアとは?最新動向と押さえておくべきサイト10選

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DeNa騒動以降、注目を集めているキュレーションメディア

昨年の12月、株式会社DeNaの運営していたメディア「Welq」や「MERY」を初めとしたキュレーションメディアが問題になったことは記憶に新しい。あの一件以降、DeNaはもちろんのこと、キュレーションメディアを運営していた企業は、記事の精査から削除、そして一次情報の追加といったリライトといった対応作業に追われていた。

騒動は一旦収束したかのように見えるが、「Welqショック」と言われる今回の騒動は、それまでインターネットメディア業界が孕んでいた問題を浮き彫りにした。(著作権の問題や質よりも広告収益を優先したコンテンツなど)

web編集者として一度一連の騒動やキュレーションメディアに関して一度はその概要をまとめ、自分の考えを持っておきたいと考え、今回はそんなキュレーションメディアに関して書いていこうと思う。

キュレーションメディアの定義は?

キュレーションメディアの定義としては、特定の領域に関して特化した情報を集約・取捨選択し、配信するメディアというのが一般的なのではないだろうか。また、キュレーションメディアが発信するコンテンツの多くが一次情報ではなく、既にインターネットや雑誌などで取り上げられているような既出のものであることが多く、前述したDeNa騒動が起きた際も、コピペ問題が大きくフォーカスされていた。

キュレーション=情報を収集しまとめること

では、そもそも「キュレーション」とはどういった意味を持つ言葉なのだろうか。辞書横断検索サービス「コトバンク」では下記のように定義されている。

IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。キュレーションを行う人はキュレーターと呼ばれる。

kotobank.jp

上記からも分かるとおり、「キュレーション」という行為は、何かを新しく生み出すというよりは既出の情報をまとめる行為のことを言う。また、その行為を行う人のことをキュレーターというらしい。

分かりやすい例は「NAVERまとめ」

こういった定義からキュレーションメディアの定義を考える上で一番分かりやすい例が、LINE株式会社が提供するサービス「NAVERまとめ」ではないだろうか。NAVERまとめは、ユーザーがキュレーターとして、インターネット上の情報をまとめ、作成したページの流入数に応じて報酬が支払われるというシステムである。サイトパワーはかなり強く、検索上位に表示されるコンテンツも多い。

「Yahoo!ニュース」や「スマートニュース」、「グノシー」、「ニュースピックス」はキュレーションプラットフォーム

マーケティング担当者向けのメディア、ferretでは「Yahoo!ニュース」、「スマートニュース」や「グノシー」といったサービスがキュレーションメディアとして紹介されているが、個人的見解においては、これらのメディアはキュレーションメディアというよりは、プラットフォーム的な要素が強いように思う。これらのサービスは、外部のメディアからコンテンツを丸ごと買い、ユーザーにとって最適な方法で配信をしているのであって、キュレーション的な要素はほぼないからだ。 

ferret-plus.com

キュレーションメディアのマネタイズ方は?

次に、キュレーションメディアのマネタイズ方に関して考察していく。キュレーションメディアのマネタイズ方として考えられるのは、大きく分けて①アドネットワークによる広告収益、②マイクロペイメントなどのコンテンツの有料課金による収益化、③他社への送客、④ECによる収益の4つである。中にはこれらの手法を戦略的に組み合わせて、マネタイズを行っているメディアもある。

①アドネットワークによる広告収益

google adesenceやYahoo! Publisher Network、そしてeBay AdContextといったアドネットワークサービスによる収益がこれに当たる。参入障壁は低く、一定の流入数があれば、ブロガーでも申請さえすれば導入できる。CPC課金やCPM課金といった形で、広告収益を得ることができるが、短歌は非常に安いため、これだけで収益化に成功しているキュレーションメディアは殆ど見られない。

②マイクロペイメントなどのコンテンツの有料課金による収益化 

次に挙げるのが、コンテンツの有料課金モデルだ。近年ではマイクロペイメントというわれるモデルが米国を中心とした海外で注目を集めている。これは、一記事ごとに少額で課金をすることにより、ユーザーの有料コンテンツへの課金ハードルを下げるというもの。そもそもインターネット上のコンテン ツは無料であることが基本なので、こういったコンテンツの有料化が一般化すれば、大きな変化になるだろう。 

③他社への送客

3つ目に挙げるのが他社への送客である。これは、アフィリエイトのように、サイトに訪れたユーザーに何らかの行動(媒体への登録や商品の購入、イベントへのエントリーなど)を起こさせ、それをコンバージョンとして成果報酬を得る収益モデル。株式会社じげんが運営する「転職EX」をはじめとしたEXシリーズがこれに当たる。

④ECによる収益

4つ目は、物品の購買をコンバージョンポイントとして収益を得るモデルである。③にも言えることだが、アフィリエイトに近しい要素を持っており、コンテンツを製作する上では、単純にトラフィックを集めれば言い訳ではなく、そこから商品の購買にまで至るまでの導線を設計することが重要である。

2017年現在も、一部のキュレーションメディアへの風当たりは強い

キュレーションメディアのマネタイズ方に関して紹介したところで、次に2017年のキュレーションメディア界隈の最新動向を見ていこう。DeNaの騒動以降、様々な議論を巻き起こしてきたキュレーションメディアだが、半年以上経った今でも、評判の悪さは相変わらずだ。

とはいえ、多くの人が利用しているのも事実。日々のちょっとした情報収集などにはキュレーションメディアを活用している人は多数いるはずである。

そんな中、DeNa小学館と共同で「MARY」復活を目指すと宣言

SNSやネット上にはまだまだ批判的な意見は見られるが、そんな中今年8月にDeNaはかつて運営していたキュレーションメディア「MARY」の運営を大手出版 社である小学館と共同で復活させると発表した。コンテンツ力を持つ小学館の手を借りることで、コピペや情報の正確さなど、コンテンツの質への懸念を払拭するのがDeNaの狙いと見られる。

押さえておくべきサイト10選

次に、現存しているキュレーションメディアから代表的なものをご紹介。

NAVERまとめ

前述した通り、代表的なキュレーションメディア。エンタメ、時々、ライフスタイルなどありとあらゆるジャンルの領域の情報を取り扱っています。

matome.naver.jp

②nanapi

2007年に設立。キュレーションメディアが一般的に認知される前から運営されていた先駆け的な存在で生活に関するノウハウや情報を幅広く掲載。

nanapi.jp

mamari

子育てに関する情報を配信しているメディア。同領域の先駆者的な存在で、社内には実際に子育て中の主婦ライターが所属していたり、ユーザー目線に立つといことに拘りを持っている。

mamari.jp

④retrip

旅行やお出かけに関する情報を配信しているメディア。ユーザーがコンテンツを編集、発信できる機能は健在。

retrip.jp

⑤antenna

女性向けファッション・グルメ情報に強みを持っており、バイラルメディア的要素もあり、良質なコンテンツを配信している。

antenna.jp

ハッカドール

アプリ・WEB・アニメに関する情報を配信。DeNaが運営しているサイト。

hackadoll.com

⑦spotlight

サイバーエージェントが運営。一連の騒動が起きた際には批判も多数あった。バイラルメディア的要素が強い。

spotlight-media.jp

⑧All about

キュレーターとして、その分野の専門家を据えておりコンテンツの質や信用性は高い。カバーしている領域も広い。

allabout.co.jp

⑨キャリアパーク

キャリア領域に特化したキュレーションメディア。最近では、リクナビマイナビといったプラットフォーム的要素が強くなっている。SEOがかなり強い。

careerpark.jp

キナリノ

デザインやコンテンツの質は相当。ファッションや雑貨、インテリアといった領域に特化しているため、女性ユーザーが多い。

kinarino.jp

オリジナリティと情報の正確性の担保が生き残るための鍵

DeNaの騒動を受けて、多くのキュレーションメディアが閉鎖に追い込まれた。今後も、しばらくはキュレーションメディアへの世間の目は、以前よりも厳しくなることは間違いないだろう。そんな中、メディアとしてファンを増やしつつしっかり収益化するためには目先のトラフィック増加のためのコンテンツではなく、中長期的な目線でユーザーの視点に立ったコンテンツ作りが大切になってくるのだと思う。

 

SNSコンサルタント/web編集者、石井リナちゃんが個人的に要注目だと思う3つの理由

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web業界で最近気になっている子がいる。SNSコンサルタント、そしてwebメディア「COMPASS」の編集長を務める石井リナだ。その愛くるしいルックスとは裏腹に、SNS(特にInstagram)を活用したマーケティングには精通した人物として知られ、Advertimesでも連載を持つほど。

www.advertimes.com

平成生まれのデジタルネイティブ世代

彼女の生まれは平成2年で、今年で27歳になる年齢だ。新卒で大手広告代理店オプトに入社し、インターネット広告のコンサルタントや営業を経て、企業のSNSマーケティング支援を行う。また、同時にSNS特化メディア「kakeru」で10~20代向けのコンテンツを作成するなど、ライター業にも携わっていたらしい。書籍も出しており、Instagramを活用したマーケティングノウハウについて書いている。

www.amazon.co.jp

現在はwebメディア「COMPASS」の編集長を務める

現在はリアルイベントにおけるSNSプロモーション事業を展開するSnSnapでお運度メディア「COMPASS」の編集長を勤めている。国内外の最新のマーケティング事例やインタビュー記事、特集記事などを中心に配信している。

石井リナが個人的に注目な理由3つ

理由1:SNS×リアルイベントという観点が面白い

僕が知る限り、SNSプロモーションの成功事例や細かいノウハウを掲載したメディアは多数ある。ただ、彼女が手がけるCOMPASSのような、リアルイベントという観点もコアコンセプトとして持つメディアは今までなかったのではないだろうか。まだ、「なんでこんな記事載せるんだ?」っていうようなブレも多少感じることはあるけど、基本的にどれも観点が面白くて良記事だと思う。 

理由2:女性のキャリアを考える上で良いロールモデル

女性の働き方を考えていく上で、彼女の働き方はとてもバランスがいいのではないかなと思っている。彼女のインスタを見ると、よくわからないけどとにかくリア充感がすごい。海外旅行の写真や美味しそうな料理の写真がズラリ。とにかく、キラキラしている。いわゆる「ザ・キャリア・ウーマン」というわけではないんだけれど、仕事をしっかりして楽しんでいるの伝わってくる。

www.instagram.com

理由3:とにかく可愛い 

最後は完全に僕の主観。純粋に可愛いから(笑)なんだろ、程良くギャルっぽいところがいいのかな。化粧とか、あとは雰囲気だな。

以上が、石井リナが要注目な理由。最後の3つ目に関しては、、、すいません笑

これからもっと有名になっていく人だと思うので要注目です!

2017年、アメリカの若者に最も使われているSNSはアレだった

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FacebookTwitterInstagramの発祥地、SNSの本場であるアメリカ。現地の若者の間ではどのSNSが人気なのか。ふと知りたくなったので調べてみましたー。

米国の若者に最も人気のあるSNSは「Snaptchat」

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米国のwebメディア「statista」によると、今年若者が最も使っているSNSは、Snaptchatだそう。日本国内だとそこまで人気がないSnaptchatですが、米国では非常に人気があるようです。ちなみに上位5つはこんな感じ。

1位:Snapchat

2位:Facebook

3位:Instagram

4位:Twitter

5位:Pinterest

www.statista.com

消えちゃうメッセンジャーアプリ「Snapchat」

Snapchatは、Instagramと同じように画像投稿型のSNSInstagramとの大きな違いは、動画や画像の閲覧者を身近な人のみに限定できること、また閲覧時間が限られていることです。InstagramのStory機能に近い感じですね。 一度投稿して消えた動画や画像は二度と見ることができないので、しばしば「消えちゃうメッセンジャーアプリ」として紹介されています。

消えてしまうからこそ、”リアル”を感じることができるのが人気の理由

インスタグラムのように一度投稿した動画や写真がいつまでも残ることはなく、”今”その瞬間を切り取り、共有する。見られる期間は決まってるか逆にそこにリアルを感じることがきるのがスナップチャットの人気の理由だそう。また、多くのSNSと異なり「いいね!」がないため、いいね!の獲得数に固執する必要もありません。

投稿したテキストや写真・動画を”拡散”させることでつながりを生み出せることが、SNSの特徴といえる中、SnapchatはよりクローズドなSNSといえるでしょう。

日本で人気なのは言うまでもなくLINE

一方日本で人気があるのは、みなさんご存知LINEです。続いてTwitterFacebookは近年若年層のユーザー離れがさけばれてますが、Twitterはまだ健在のようです。

find-model.jp

 Snapchatが日本で流行らないのは「SNOW」と「LINE」の存在が大きい

 では、なぜ日本ではSnapchatが流行らないのか。その理由を、株式会社WAVESTの松村淳平さんあるイベントでこう話しています。

Snapchatは日本で流行らないと思いますね。日本は独特なマーケットで、チャットをしたければLINEがあるし、顔の加工をしたければSNOWがある。さらには時限性の投稿をするためのツールとしてInstagram Storiesも出てきた。これだけのツールがあるので、あまりSnapchatをやる理由がないんじゃないかな、と思います

<引用元>

Snapchat、インスタ、SNOWーー日本で流行る “消える”系コンテンツは? | HRナビ by リクルート

前述したように、Snapchatは動画や画像を通じてコミュニケーションを行うメッセンジャーアプリとしての機能を持っています。米国の若者は、周囲とコミュニケーションを取るためのツールとしてSnapchatを愛用しているとすれば、日本にはすでにLINEやSNOWがあるため、リプレイスは難しいというのが松村さんの見解のようです。

「ライター」と「編集者」の違いってイマイチよく分からないという人へ。

編集者とライターの棲み分けって曖昧

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編集者とライター、どちらも紙、webに限らずコンテンツを作成する上で重要な役割を担っています。でも、周りから見ていると(特に業界未経験の方)、じゃあ具体的には何が違うの?って言われた時、そんなにパット答えられる人はいないんじゃないかと思うんです。僕も、今の会社にはライターとして入社したんですが、蓋を開けてみるとライティング業務だけでなく、編集業務的なこともやるし、結構その辺て紙かwebだけでなく、企業毎に認識が違っていたりするんですよね。

編集者は企画立案やアイディアを考える人

編集者というと、一般的には雑誌や書籍あるいはwebコンテンツを企画し、予算取り、進行管理、納品までを行うポジションです。つまり、実際に作る側ではなくて、企画を練る立場にいるのが編集者です。実際に製作を行うライターやデザイナー、カメラマンといった方々のディレクションを行うポジションといえます。 

ライターは企画を形にする人

一方ライターはというと、編集者が考えた企画を形にしていく立場です。具体的には取材やライティング、といった業務が挙げられます。ただ、ブロガーやフリーランスのライターの方などは、編集者と同じように企画も行うケースも多いようです。あとは、それだけじゃなくてベンチャーや中小企業なんかだと多いですね。僕の父は、小さな出版者で編集長として働いていたんですが、退職する直前まで自分で取材にもいくしライティングもしていました。ただ、もちろん大手企業なんかだと、そこの棲み分けがしっかりしていることが多いのではないでしょうか。 

編集者とライターでは関わる業務工程が異なる

編集者とライターの違いは、関わる業務工程が異なるということです。前述したように、編集者は企画立案から予算取りといった上流工程がメインの仕事。一方、ライターはその企画を、編集者の指示の元実際に形にする仕事です。

 

編集者、ライターそれぞれの適性は?

では、編集者とライターそれぞれどんな人が向いているのでしょうか。News Picsの編集長を務める佐々木氏はあるイベントでこんな話をしていたそうです。

 「編集者に向いている人というのは、良いところを見つけるのが得意な人、ライターに向いている人は、悪いところや胡散臭いといころを見つけるのが得意な人」

編集者に向いている人と、ライターに向いている人の違いは? | Fashionsnap.com

編集者は企画力やアイディア力が大事であると同時に、ライターが執筆した記事を俯瞰してより良いものにしていく力が求められます。そう考えると、この佐々木氏の言うことも頷けますね。

ライターは逆に編集者の企画やアイディアに穴がないかどうか、読者が求めているものなのかを判断する力も求められます。「編集者は上流工程に関わることが多い」と書きましたが、それは決してライターは編集者の指示に従わなければいけないというわけではなく、ライターも時には編集者に対して意見したり駄目出しをすることで、コンテンツを良いいものにしていくよう努めなくてはなりません。つまり、編集者とライターは相互補完関係にあるといえます。

最後に

佐々木氏の言うことは非常に納得なんですが、個人的にはライターにも編集者にも共通して求められている、そして今後益々求められるであろう要素があると思っています。それは「ビジネス感覚」です。例えば編集者の場合、ただ面白い企画、自分がやりたい企画を作るのは難しい世の中になってきています。出版不況がそのことを裏付けているだけでなく、アウトプットが数字として可視化されるwebがどんどん力を強めている以上、編集者は企業の利益に繋がるような企画作り、という視点を持つことが求められてきているような気がします。

それはライターも同じで、ただ原稿料を貰って書いていればいい、というわけではなく、定量的な成果(PVだったりCV数だったり)が求められる機会が今後益々増えるのではないでしょうか。

バイラルメディアとは?最新の動向とおすすめサイト20

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前回の更新からなんとなんと1年以上が経っていました…衝撃。いやー昨年と今年は本当に色々ありました。正直部署移動やら体壊したりでブログどころではありませんでした。ここ最近はある程度時間を作れるようになったので、久々に更新します。ちょっと前に話題になった「バイラルメディア」について。「バイラルメディアのバブルは弾けた」、「クソメディア」など散々叩かれてるバイラルメディアですが、最近のトレンドやマネタイズの方法、あと定義や語源に関して記述がある記事が少なかった(というかほとんどなかった)ので書いてみることにしました。

バイラルメディアの定義

そもそもバイラルメディアって何だっけ?というところから。バイラルメディアは英語表記だとViral mediaになるわけですが、意味としてはその名の通りViral(ウィルス性の)media(媒体)。

ソーシャルマーケティングラボによると、

バイラル(Viral)とは「ウイルス性の」「感染的な」という意味で、「バイラルメディア」とはFacebookTwitterなどのSNSの情報拡散力を利用して、インパクト・話題性のある動画や画像を中心とした記事に、短期間で爆発的なトラフィックを集めることを目的としたブログメディアを指す。

smmlab.jp

 って感じに定義されてます。つまり、バイラルメディアとは検索流入ではなくTwitterFacebookといったSNSでシェアやいいね!されるような いわゆるバズコンテンツをメインに提供しているメディアのことを指すようです。ぱっと思い浮かぶこ例でいうと、BUZZFEEDとかその辺ですね。

ただ、海外だとこの認識は若干異なるようで…英語版のYour dictionaryはバイラルメディアをこんな風に定義しています。

Media that is passed from person to person.

直訳すると、「人から人へ渡るメディア」ですよね。この定義自体は前述したものとなんとなく同じように思えます。でも、その例を見てみると…

A popular example of viral media is video being posted to websites such as YouTube and EBAUM'S World. Sites that host viral media are referred to as "viral sites."

 「一般的なバイラルメディアの例は、YouTubeやEBAUM'S Worldといったwebサイトに投稿されるような動画のこと。バイラルメディアをまとめているサイトのことをバイラルサイトという」

明らかに言葉の意味が違いますね。欧米(主にアメリカだと思います)におけるバイラルメディアとは、私たちがいうところのTwitterFacebookといったSNSでの拡散を狙ったコンテンツ=バイラルコンテンツのことを指すようです。おそらくこの違いは、そもそもメディアという言葉に対する考え方が異なる点から来ているのだと思います。日本では、メディアというと新聞やテレビ、それこそwebサイトをイメージする方が多いかと思います。でも欧米圏ではこの辺の考え方が少し異なるんですね。

メディアという言葉の定義や語源については以前にこちらの記事で紹介しているので、ご覧ください。

メディアの定義と語源を調べてみた - web編集者の備忘録

ユーザーの興味を引くコンテンツが多い

バイラルメディアは、画像や動画を活用した、ユーザーにとってインパクトのあるコンテンツを中心に掲載しています。ユーザーの拡散行動によって流入を増やすことを狙っている以上、メディアが提供するコンテンツは「面白系」や「やってみた」系のように、思わず周囲にシェアしたくなるようなものでなければなりません。動画や画像は、情報伝達スピードがテキストに比べて早いので分かりやすいし、表現の幅が広いため、バイラルメディアデよく使われることが多いのです。

バイラルメディアの主なマネタイズ方法は?

バイラルメディア」の語源や定義を紹介したところで、次にそのマネタイズ方法についてです。ここでは大きく3つに分けてご紹介していきます。

1.アドネットワークの活用

もっともメジャーなのが、アドネットワークと呼ばれる広告配信システムです。具体的には複数のwebサイトを集めて、それぞれの媒体に合った広告を配信する手法のこと。みなさんが普段ネットサーフィン等をする際に表示される、バナー広告の多くがこのアドネットワークによって配信されています。現在、GoogleやYahooといった企業がこのシステムをサービスとして提供しています。

得られる広告収益は、主にクリック単価広告、もしくはインプレッション単価広告になり、前者の場合はバナーをクリックされた回数×単価(大体2円~10円)、後者の場合は表示回数1000回辺りの単価で算出されます。

2.記事広告やスポンサードコンテンツ

次に、記事広告やスポンサードコンテンツからの収益が挙げられます。前者は名前の通りテキストベースの広告で、通常の記事と同じように表示されるケースが多いようです。たまに記事のタイトルの冒頭などに「PR」といった文言が表示されているコンテンツを見たことがありませんか?あれは記事広告であることが多いといえます。

記事広告とよく混同されがちですが、微妙に異なるのが「スポンサードコンテンツ」です。これは、BUZZ FEEDがメインのマネタイズ方として行っていて、単純にクライアントがPRしたい商品やサービスに関するコンテンツを作成するのではなく、中立的な立場から飽くまでユーザーのためになる情報として、コンテンツを配信する方法だそうです。詳しくはこちらをどうぞ→

とはいえ、おそらく記事広告と同じように掲載期間○日=○○円といった形で予算をもらって作成するので、個人的には正直そこの境界線というか判断基準みたいなものはどうなっているんだろう?と思ってしまいます。同業者としても、その辺のオペレーション設計というか仕組みは気になるところですね。

3.アフィリエイトによる収益

 そして最後がアフィリエイトによる収益です。これは、ブロガーの方々はもちろんご存知かと思いますが、商品のリンクを記事中に貼っておいて、そこから商品を購入したり、イベントにエントリーすると報酬が発生するというシステムのこと。ただブログとは違い、バイラルメディアの多くは、ASPという代理店を挟まずに直取引という形でクライアントへの送客を行っているケースが多いようです。代理店を挟まない方が当然単価は高くなりますし、利益率はいいですからね。

ざっくりとではありますが、以上3つがバイラルメディアのマネタイズ方です。もちろんここにはないような方法で収益化を行っているバイラルメディアも多数あります。 

最近では勢いに陰りが見えてきた、という見解も

一時は国内外問わず多くのバイラルメディアが乱立していましたが、一部からはその勢いに陰りが見えてきたという声も。デジタルマーケティング戦略メディアのDIGIDAYによると、メディアの本場、アメリカではマーケターのバイラルメディアへの関心は薄れつつあるとのこと。その要因は大きく分けて2つで、ひとつはFacebookTwitterといったSNSプラットフォーム経路の集客に依存していることから、アルゴリズム変更へ流入数が左右されてしまうことです。そしてもうひとつは、つまりはトラフィックの質の問題です。一部のメディアは2017年も問題になっているアドフラウドやビューアビリティといった問題を解決できていなく、中には広告出稿を控えるマーケターもいるようです。

digiday.jp

そんな中でも例外なのが「Little Thing」

バイラルメディアが勢いを落としている中、例外といえるメディアが「Little Thing」。Little Thingが特徴的なのは、そのデザイン性と質の高いコンテンツです。フード、子育て、ペットやDIYといった領域の最新コンテンツが、画像や動画を中心に日々更新されています。

また、後述しますが2017年のバイラルメディアランキングにもランクインしており、トラフィックも伸ばしています。 

個人的なおすすめバイラルメディア20選

1.BUZZ FEED

言わずとしてれたバイラルメディアの雄。アメリカのNAVERまとめとも言われるように、アクセス量だけでなく、配信しているコンテンツのジャンルも時事問題からカルチャーまで幅広いです。動画配信なども行っていますがテキストベースのコンテンツがメイン。

www.buzzfeed.com

2.dropout

「新しいカタチの『刺さる』動画メディア」を謳っているバイラルメディアです。ジャンルは特に限られておらず、毎日ドキッとさせられるようなコンテンツを配信しています。社会問題に関するコンテンツなど、結構考えさせる動画も配信していて◎。

dout.jp

3.whats

続いてご紹介するのは「whats」というこちらも動画メディア。配信しているコンテンツはdropoutよりも「○○やってみた」とか動物の面白系動画など、ほんわかさせるような内容のものが多いです。

whats.be

4.Spotlight

バズフィードに負けずと、エンタメや社会問題まで幅広くコンテンツを配信して、多くのファンを持つのが「Spotlight」。肌感でしかないけど最近特に芸能系のネタが多くなっている気がします。芸能系の他にも、恋愛などに関するコラムなども充実してます。いい意味でゲスい記事が多くて個人的に好きです(笑)

spotlight-media.jp

5.Upworthy

次に紹介するのは、アメリカの動画バイラルメディア「Upworthy」。個人的には動画バイラルメディアのパイオニア的存在ですが、まだ日本には上陸していません。配信しているコンテンツも結構面白く、同性愛や貧困、ワークスタイルなど見応えのある動画を多く配信しています。

www.upworthy.com

6.FaithIt

続いてご紹介するのも、アメリカの動画バイラルメディア。Faithltはその名前の通り、信仰やスピリチュアルな出来事を中心に、エンタメ系や社会問題に関する動画や画像をメインとしたコンテンツを配信しています。

faithit.com

7.ViralNova

「ViralNova」こちらも日本にはまだ上陸していないメディアで、ライフスタイルやカルチャーの他、医療や科学に関するコンテンツも配信しています。基本的に画像と動画がメインのコンテンツが多いですね。

www.viralnova.com

8.Distractify

日本未上陸のメディアが続きます。続いてご紹介するのは、「Distractify」というメディア。こちらもコンテンツは画像と動画がメインのものが多いです。ただ、あまりシリアスな内容ではなく、面白系やトレンドを押えた内容がほとんど。

www.distractify.com

9.9ポスト

9ポスト、こちらも動画コンテンツ中心のメディアになります。カテゴリーは社会問題、スポーツ、音楽と幅広く展開しています。また、この9ポストの面白いところは投稿されている動画をランダムで再生できる機能。 

9post.tv

10.BUZZmag

次にご紹介するのは、面白系やほっこりするような画像や動画コンテンツが中心のメディア「BUZZmag」。カテゴリも幅広く展開しています。動物の癒し系動画や画像が好きな人は是非。

buzzmag.jp

11.FEELY

この「FEELY」もBUZZmagに少し近いかも。ただ、こちらの方が芸能人やスポーツ選手のいい話やためになる話が多く投稿されている印象。コンテンツは画像や動画がメインです。

feely.jp

12.ViRATES

ViRATESも動画と画像を中心としてコンテンツがメイン。ただ、社会やスポーツ、面白系といったカテゴリの他に「VR」というカテゴリがあること。デバイスに関する情報から、コンテンツまで掲載していて◎。

virates.com

13.netgeek

netgeekは様々なカテゴリのニュースを配信しているバイラルメディア。芸能などエンタメ要素のあるコンテンツから政治やIT関連までかなり幅広く配信しています。ちなみに速報性はかなり高いのですが、デマや意図的なミスリードが少なからずあるようで、賛否がわかれるメディアです。

netgeek.biz

14.Spotlight

芸能やエンタメニュースを中心に、政治や面白系コンテンツまで幅広く配信しているのが「spotlight」。上記のカテゴリの中でも、芸能ニュースが特に強いイメージです。また、それ以上に特徴的なのは、Spolight編集部だけでなく読者も記事を投稿することが可能なこと。

spotlight-media.jp

15.TABI LABO

そろそろ紹介するのが疲れてきました…でも頑張ります。

「TABI LABO」はカルチャーからライフスタイル、テック系のコンテンツなど幅広く配信しています。僕は名前を見て最初、「あれ、これ旅行系のメディアじゃないの?」と思ったのですが、全然違っててこの名前はメディアのコンセプトに基づいているみたいです。

tabi-labo.com

16.compass

来ました。COMPASS、かなりおすすめです。コンテンツはTwitterFacebookinstagramといったSNSとリアルイベントを活用したマーケティング戦略の成功例を中心に、インタビュー記事や特集記事を配信しています。そのクオリティの高さもさることながら、編集長の石井リナちゃんがとにかく可愛い。彼女はインフルエンサーとしても活躍しているので要注目です。

compass-media.tokyo

17.Buzzmedia

いよいよ終盤にさしかかってきましたね笑

次に紹介するのは「Buzzmedia」というバイラルメディア。芸能やエンタメ情報を中心に、映画や漫画・アニメに関するコンテンツを配信しています。動画コンテンツはそこまで多くない印象で画像とテキストがほとんどみたいです。

buzz-media.net

18.Zergnet

「Zergnet」は日本にはまだ上陸していない、ゲームや映画、芸能に関するコンテンツを配信しているバイラルメディアです。個人的には映画に関する記事が好きで、よくチェックしてます。とはいえ、オリジナルコンテンツはあまりなく、他のメディアのニュースをキュレーションしているケースがほとんどみたいですね。

ZergNet - Discover Interesting Articles 

19.Littke Things

「Little Things」もまだ日本には上陸していないメディアです。コンテンツはフード、子育て、DYIなど独自の色を持っています。アメリカでの人気も高く、コアコンセプトがしっかりしている印象です。

www.littlethings.com

20.Thought Catalog

 最後にご紹介するのは「Thought Catalog」という女性向けのバイラルメディア。配信してるのは恋愛やヘルス領域のものが多く、基本的にテキストベースのコンテンツがメインです。女性を意識したまるでファッション雑誌のようなデザインが特徴的です。

thoughtcatalog.com

 

【まとめ】バイラルメディアの今とこれから

いかがでしたでしょうか?ここまで、バイラルメディアの語源や定義、そしてそのマネタイズ方からおすすめサイトまで紹介してきました。バイラルメディアは、流行した2014 年辺りから賛否が分かれるメディアでした。その理由としては、情報の信憑性や拡散を目的とした誇張表現などが挙げられると思います。

そんな背景もあり、当時評判だったサイトの中には閉鎖してしまったものもあります。国内外問わず、今はバイラルメディアもコンセプトであったりコンテンツをしっかり作りこむような動きになっていて、そこに追いつけないサイトは次々に淘汰されています。そんなバイラルメディア戦国時代といってもいい状況の中、今後どんなバイラルメディアが生まれてくるのか、楽しみです。 

メディア論における主要な論客3人

今回は、近年再評価されているマーシャル・マクルーハンを初め、メディア研究・理論において押さえておきたい論客を、独断と偏見で5人紹介します。

①「メディアはメッセージである」マーシャル・マクルーハン

 マーシャル・マクルーハンはカナダの英文学者であり、その仕事は文学方面だけでなく、メディア理論としても高い評価を受けています。ここではその中でも最も有名な「メディアはメッセージである」というテーゼを取り上げます。

メディアはそのコンテンツだけでなく”メディアそのもの”として社会に影響を与える

それまで、メディア研究というのは専らそのコンテンツの研究に重点が置かれていました。しかしマクルーハンは、メディアそのものとしての社会への影響力にも着目したのです。

たとえば、新聞やテレビといったマスメディアと、ネット上のブログなどで同一の情報が発信されたとしても、その”信憑性”という点において様々な議論がなされていることからもわかるように、社会に与える影響は異なりますよね。

つまり、伝える内容(コンテンツ)だけが意味を持つのではなく、それを媒介するメディアも私たちの情報の受け取り方に影響を与えるという点で意味を持っているといえるのです。

今こそ読みたいマクルーハン

 

 

②ウォルター・ベンヤミン (1892年7月15日-1940年9月26日)

”メディアそのもの”が持つ意味に着目したていたのは実はマクルーハンだけではありません。ここでご紹介するウォルターベンヤミンも、広い知見と鋭い考察力でメディア研究領域に貢献した人物として知られています。

ベンヤミンはドイツの文芸批評家、哲学者、思想家、翻訳家、社会批評家でフランクフルト学派の1人に数えられており、西洋マルクス主義に強い影響を受けているといわれています。

言語という”メディアそのもの”が持つ意味に注目

ベンヤミンもまた、マクルーハンと同様にメディアそのものが持つ意味に早くから注目していました。

特に、ベンヤミンが当初から注目していたのは、言語というメディアの”非手段性”です。私たちは普段、伝えたいコンテンツ(意味)を”言語という手段”を活用して相手に伝えている、そう考えがちですが、ベンヤミンはその通念に疑問符を投げかけたのです。

彼は、伝えたい意味が前提としてまず存在していて、それを言語によって伝える、のではなく、むしろ言語というメディアを通して意味は後から生成される、つまり言語こそが意味を成立させている”トポス”であると主張しました。

こういったベンヤミンの言語についての理解は、マクルーハンを始めとしてたメディア研究者達に多大な影響を与えました。

ベンヤミン「言語一般および人間の言語について」を読む―言葉と語りえぬもの

 

 

③ウォルター・J・オング (1912年11月30日-2003年8月12日)

3番目にご紹介するのは ウォルター・J・オングです。彼はアメリカの英文学や文化研究、哲学といった領域で活躍した人物です。

メディアの変容が社会に与える影響について研究

彼が注目していたのは、技術革新などによるメディアの変容が、社会に与える文化的意識的影響についてです。これは前述したマクルーハンの「メディアはメッセージである」という言葉と重なる部分がありますね。

オングによると、メディアの変容は、単純に”表現手段の変化”に止まらず、思考や記憶の様式、そして世界観を根底から変えてしまう構造的な契機をもたらします。

例えば口承的なメディアかから初期的なメディアへの移行は、社会的現実の構成を最も深いレベルで変容させた、と言われています。言語が記録可能になったことによって、かつて言語が持っていた”今ここ”という一回性は失われ、分析的な思考の道具になりました。形式論理的な推論、事象の定義、図形の理解などは、「書く」という技術によってはじめて可能になったといえるのです。

声の文化と文字の文化

 

 

~ まとめ ~

いかがでしたでしょうか?ここまで、メディア研究における主要な論客を私の勝手な独断と偏見で3人ご紹介させていただきました。(時系列などバラバラでなかなか読みづらかったかもしれません、すみません、、)

さて、この3人ともに共通することってなんだと思います?それは、メディアを単なる情報伝達の手段としてではなく、様々な力関係の中で意味が生成される場としてとらえていることです。

新聞やテレビといったマスメディアからインターネットまで、私たちの生活は今メディアに溢れています。これだけ多くの情報を私たち自身の手で得ることができる時代なんて、今ままで無かったはず。

だから、”正しい情報と誤った情報を取捨選択するためのリテラシーを身に付けなければいけない、ということはよく言われているし、僕もよく言ってきました。

ただ、最近思うのは、「リテラシーを身に付けて意味あるのかな?」ってことです。

この3人が言うように、メディアが単なる情報の伝達手段ではなく、意味が生成される場所であるとするなら、”正しい情報”って極論存在しえないんじゃないかな、と。

どんなに実績のある新聞記者が書いた記事であっても、個人的なバイアスは入り得るし、それは僕みたいなブロガーも同じ。っていうかそれでいいと思うんですきっと。

メディアは無色透明である必要はないし、もっというとそれは不可能

だから、最近ネットで良く聞くマスコミ叩き、「マスコミは事実だけを伝えておけばいい」とおっしゃっている方には、是非今回取り上げた御三方の書籍をおススメします笑

少し視野が広がるんじゃないかなー

というわけで、かなり話が脱線してしましましたが、今回はこの辺で。

 

選択的夫婦別姓の導入が日本の伝統を壊す?

一回目の投稿から随分時間が経ってしまいました。今回はこのところ話題になっている、「選択的夫婦別姓」を巡る議論について書いていきます。

 

12月16日、夫婦別姓を認めない民法の規定について最高裁は合憲の判断を下した

先週の12月16日、夫婦別姓を認めない民法の規定について、最高裁が合憲の判断を下し、原告の訴えが却下されました。この判決に関して、世間では様々な議論がなされています。今回はその中でも夫婦別姓を「伝統」に結びつける言説を取り上げていきます。

竹田恒泰氏の発言

取り上げるのは、明治天皇の玄孫として知られている竹田恒泰氏のTwitterでの発言です。竹田氏は選択的夫婦別姓の導入には懸念を示しており、その発言が注目されています。以下に紹介するのは、前述した最高裁の決定を報道した英紙に対してなされた発言です。

竹田氏は夫婦同姓婚を日本の「伝統」であると主張

英氏の報道に対して竹田氏は、先の合憲判決は日本の伝統に基づいており、英紙はその伝統を否定したという旨の発言をしています。また、竹田氏は以下のような発言もしています。

確かにこういった感覚を抱く女性はいるかもしれません。しかしだからといって、選択的夫婦別姓の導入を否定する論拠としてそれが「伝統」であると断定してしまうことには疑問が残ります。

 

夫婦同姓は日本の伝統ではない

夫婦が結婚と同時に同じ姓を名乗る、この習慣が日本で広まってからの歴史はそう長くありません。夫婦同姓の習慣は、1898年(明治31年)公布・施行の明治民法以来のもので、その歴史はたったの100年間程。それ以前に、日本の庶民が姓を持つことは許されていませんでした。

姓を名乗るのを許されていたのは士分以上に限られていた

当時姓を名乗ることを許されていたのは、士分以上の者に限られていました。しかもその割合はわずか人口の約6%。本当にごく一部であったことがわかると思います。 

 

「伝統」と考えられている多くの慣習や風習は近代になって創出されたもの

社会学者のエリック・ホブズボウムは、著書『創られた伝統』のなかで、私達が「伝統」だと考える慣習、風習の多くは近代になってから創出されたものであり、必ずしも過去との連続性はないことを指摘しました。

 

創られた伝統 (文化人類学叢書)

伝統は人々に「国家」を意識させる

ではなぜ、近代(日本における明治時代)に多くの伝統が創られたのでしょうか。それは、人々に「国家」や「国民」を意識させ、共同体として成立させる狙いがあったようです。ですから、当時日本ではたくさんの土着文化が排除されていったそうです。

 

伝統の創出においてメディアは重要な役割を担っている

これは、夫婦同姓に限った話ではありません、例えば、「おふくろの味」です。この概念は、テレビの料理番組といったメディアを通して創出されたものです。また現在、私達が当然のように行っている「初詣」も、神道勢力の資金集めがきっかけになり、鉄道会社が利用者を増やす為にメディアを通じて広めたと言われています。

メディアはただの情報の媒介物ではなく、文化や慣習の創出に深く関わっていることが分かって頂けたかと思います。